国際規格が来年早々には決着か ローヤルゼリー(2014.6.12)
原料・製品メーカー多くの売上がここ数年ほぼ横ばいで推移し、このため「熟成期に入った素材」とも言われるローヤルゼリー。財務省貿易統計でも、昨年度の輸入量は前年度に比べて約3%増の44万5624kgだった。しかし、今は全国ローヤルゼリー公正取引協議会や企業の新たな取組みが進行しており、今後は市場拡大も期待されている。
協議会では、ローヤルゼリーの国際規格となるISO規格化に向けて中国や欧州諸国と話し合いを重ねており、松香会長によれば「来年早々には決まりそうだ」という。国際規格ができればローヤルゼリーは「世界で認められた健康食品」といえ、消費者の評価も高まると考えられている。
その規格案では、人の手が介入しないで作られたローヤルゼリーをタイプ1、給餌したミツバチ由来をタイプ2と分ける予定で、また、参考程度だがフロシンという新鮮度を見るような成分も規格に盛り込まれる模様。協議会の規格と異なる点もあることから、松香会長は「取り入れる点とそうでない点を見極め、規格を見直すことも視野に入れている」と話す。
企業ではアピ㈱がローヤルゼリーに含まれるタンパク質「アピシン」の定量法を確立した。アピシンは研究で細胞増殖作用などが認められ、今注目を集めている成分。既にジャパンローヤルゼリー㈱も測定可能なことをHPで訴えており、2社の取組みでさらにアピシンが注目され、その結果、データを持つ商品が流通することでローヤルゼリー全体のイメージアップになると期待される。
一方で、課題は新規販路開拓。主な利用者の高齢者層だけでは先細りで、住宅ローンなどで出費が嵩む中年層も取込む商品づくりが必要とされている。