「米国で有害事象報告多い」 消費者庁見解に反論も(2014.6.30)


 第7回「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で関口洋一委員は前回に引き続き、食事摂取基準で摂取基準が策定されている栄養成分も新表示制度の対象となるよう提案した。だが、消費者庁食品表示企画課の塩澤信良調査官は「米国でのダイエタリーサプリメントの有害事象報告の大半がビタミン・ミネラル類」だとする報告があるため「消費者の安全性確保を第一とする観点から看過できない」などと回答し、対象に加えない姿勢を示した。

 この回答に対して国立健康・栄養研究所の梅垣敬三委員が、報告が多い理由は単に「摂取している人が多い」からに過ぎないとし、「ビタミン・ミネラルが危ないという解釈は間違っている」と反論した。同庁は「危ないとは言っていない。そういう事実があると報告しているだけ。仮にビタミン・ミネラルを表示対象にした場合、同じことが起こるかも知れない」と毛色ばみながら釈明したが、梅垣委員は「その考え方がおかしい」と切り捨てた。

 関口委員が栄養成分も機能性表示の対象にするよう要望している理由は、栄養機能食品として定められた範囲外の新たな機能性を示すエビデンスが得られた場合、それを訴求できるようにするため。「除外する合理性はない」ともしている。

 一方、塩澤調査官はこの日、DHAやEPAなど、現時点では摂取基準が策定されていない成分が今後策定された場合も、「経過措置が必要になるかも知れないが、新制度の対象から外れる」との見解を示した。

 なお、同庁は前回の検討会で、「栄養政策上の観点」を理由に、摂取基準が設定されている成分は新表示制度の対象外とする案を示していた。

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