作用機序「考察」へ 消費者庁が案を一部修正(2014.6.30)


 6月26日に消費者庁が開いた第7回「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で同庁は、機能性表示の対応方針案を一部修正して示した。対象成分について、in vitro、動物、ヒトのいずれかで実証されていることとしていた作用機序と作用動態のうち後者を削除。また、「実証」を「考察」に言い換えた。前回、複数の委員から指摘されていた、食品で作用動態の解明は困難だという意見を採りいれた。

 一方で、健康食品産業協会会長の関口洋一委員は前回、作用機序・動態は「エビデンスの一つとして取り扱われるべき」だとして成分の条件にしないよう提案しており、今回も「作用機序は必須ではないことを確認して欲しい」と要望。これに対して同庁は「事業者責任で判断することを考えれば、作用機序が分かっていないのは危険。薬などとの相互作用の考察に支障をきたす」などと述べ、安全性確保を理由に撥ね付けた。

 修正点としてはこのほか、複数成分でそれぞれ機能性表示する場合は「成分ごとに機能性を実証すればよい」としていた点について、その前提として、「安全性については相互作用等の有無が確認されている」ことを追記した。

 これに対して名古屋文理大学の清水俊夫委員は、安全性だけでなく機能性も盛り込むべきだと主張。一方、国立医薬食品衛生研究所の合田幸弘委員は、条件付きで容認。特に多成分を含む天然物は「品質保証が難しい」と以前から訴えている合田委員が示した条件は、「品質保証をできるということは、定量・定性分析できるということ。それが機能性、安全性の保証にもつながる」とした上で、そうした品質保証の概念が同庁案の背景にあることを検討会が同意することだという。

【関連記事:「米国で有害事象報告多い」 消費者庁見解に反論も

Clip to Evernote

ページトップ