認知症サプリ、待たれる新知見 医師・研究者らが10月に研究報告(2014.7.7)
認知症サプリメント研究会(代表世話人=順天堂大学大学院認知症診断・予防・治療学教授・田平武氏)の第10回研究会が東京・品川にて10月4日に開催される。これまでにもクルクミン、フェルラ酸、ヒューペルジンA(トウゲシバ抽出物質)、アスタキサンチン、アラキドン酸、DHA、ホスファチジルコリン、イチョウ葉などの検証報告を行っており、今研究会の演題等は詳細を調整中だが、「今回も画期的な報告がされるだろう」(関係者)と期待を寄せている。
世話人の一人、東京医科大学八王子医療センター老年科部長・金谷潔史氏は「深刻な社会問題にもなっている認知症には、現在決定的な治療薬はなく、罹患者やその家族の医療満足度は低いのが現状」とした上で、薬以外のアプローチが求められると弊紙にコメント。
同研究会が設立したのは5年前。認知症の予防・治療には、生活環境の改善や運動療法などの従来の医療・治療法に捉われないアプローチが行われているが、その中でも、サプリメントや生薬による認知症予防と認知機能や随伴行動の改善にフォーカスする。in vivo、in vitroの試験を行い、効果が期待できる素材の発見とともに科学的な検証を行うために認知症研究者を中心にした叡智が結集、将来的にはNPOなどの公共的な組織化を目指している。
厚生労働省の調査では認知症患者は2013年度で462万人と推定されており、その予備軍の軽度認知障害者400万人を合わせ認知症800万人時代に突入したといわれる反面、現在治療で用いられている薬剤は4種に留まっており、エビデンスによって裏付けられたサプリメントの動向が注目される。