ウルソル酸 引き合い増 筋肉増強作用に関心?
(2014.7.14)
リンゴやローズマリーなどの植物に含まれる化合物「ウルソル酸」の引合いが一部で高まっている。リンゴの皮に含まれる同物質について、疾病や加齢による筋肉減弱の予防作用を持つ可能性が、マウス試験で報告されていることが背景にありそうだ。
ウルソル酸の含有量を50%以上で規格化したローズマリー抽出物を取り扱うサビンサジャパンコーポレーション。「注文が定期的に入るようになり、いまでは国内在庫を用意するようになりました」と同社では話す。
ウルソル酸はテルペノイドの一種。ほかにもベリー類など様々な植物に含まれ、リンゴの皮に最も多いといわれる。
その筋肉減弱予防作用は、米アイオワ大の研究チームが突き止め、学術誌「セル・メタボリズム」に論文を発表した。それによると、ウルソル酸はエサを与えないマウスの筋肉減弱を抑えるとともに、正常マウスのエサに加えて数週間摂取させると筋肉成長が促進されたという。
サビンサによると、ウルソル酸の引き合いが増え始めたのは今年に入ってからだ。筋肉への作用とセットで案件が持ち込まれる場合も多いという。一方、同論文が発表されたのは2011年。ここにきて引き合いが増えている理由は明確ではないが、同社では「静かなブームになっているのかも知れません」という。