「漢方を機能性食品に」 渡辺・慶応大学教授が提言(2014.8.21)


 今年5月に設立された一般社団法人漢方産業化推進研究会が20日、都内で第1回研究会を開いた。研究会代表理事の渡辺賢治慶応大学教授は会員企業と協力自治体に対して「目先の利益は期待しないでほしい。耕作放棄地を活用した生薬生産など、漢方でこの国を持続可能な社会にするという思いが重要だ」と呼びかけた。


 研究会は漢方の産業化をテーマに、薬草栽培から製品化、周辺機器開発、人材育成、海外展開など漢方のバリューチェーン構築を趣旨に設立。事業化支援、政策提言、調査研究などを行う。法人会員は20日現在でインテック、クラシエ薬品、コニカミノルタ、新日本製薬、三菱商事など16社。漢方最大手のツムラはオブザーバーに加わった。


 この日の研究会で渡辺代表理事は、政府の成長戦略に漢方が明記されなかったことに不満を表明した。「休耕田を活用した生薬栽培は、成長戦略にある攻めの農林水産業に該当する」と指摘。その上で「機能性食品に活用する薬草産業を育成するために、食薬区分の見直しが必要」と訴えた。


 研究会は年内に漢方ニーズ調査を実施して、来年3月、国の実証事業への申請を行う計画だ。


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