レスベ、筋ジストロフィーに有効か 札幌医科大など(2014.9.1)


 筋肉萎縮と筋力低下が少しずつ進行していく遺伝性疾患「筋ジストロフィー症」に対するレスベラトロールの有効性と安全性を検証する臨床研究を、札幌医科大学付属病院の筋ジストロフィー治療研究グループがこのほど開始した。12歳以上の患者10名が対象。まずは少量から経口摂取してもらい、段階的に投与量を増やしながら有効性と適切な投与量を検討していく。

 同病院が8月28日に発表した。札幌医科大ではサーチュイン遺伝子の研究を10年以上行っており、同遺伝子のひとつで、長寿遺伝子などとも呼ばれるSIRT1が筋ジストロフィー症の進行を抑制する機能を持つことをこれまでに確認。また、ポリフェノールの一種、レスベラトロールが動物モデルの筋ジストロフィー症に有効であることを突き止め、2011年に世界で初めて発表していたという。

 この臨床試験に使用するレスベラトロールの詳細については明らかにされていないが、海外では一般的にサプリメントとして利用されている、トランス体レスベラトロールを高純度に含むものを使うと見られる。研究費は、札幌医科大が自己調達するようだ。

 研究グループは、これまでの研究で、筋ジストロフィー症モデルマウスにレスベラトロールを投与すると、骨格筋量が増加したり、筋力や筋の持久力が増加したりすることを確認している。筋ジストロフィー症は現在のところ根本的な治療法がなく、対処療法にとどまっている。

Clip to Evernote

ページトップ