「セレノネイン」と呼ばれる新規の抗酸化物質を含有するサバ肉抽出物の開発を、㈱エル・エスコーポレーションが進めている。同物質は日本の研究者が魚介類から単離し、化学構造を決定したセレン化合物の一種。強い抗酸化作用のあることで知られる含硫アミノ酸「エルゴチオネイン」と化学構造が似通っている一方、ラジカル消去活性能は1000倍近く強いと報告されている。同社のオリジナル健康食品素材として今秋にも原料供給を始める計画。
米国や東南アジアなど海外ではサプリメントとして利用されている「グルタチオン」の生理機能研究をさらに深掘りしようと、協和発酵バイオ㈱が「グルタチオン学術研究会」を立ち上げ、4月28日、研究者や臨床医など約50名を集めて第1回懇談会を都内で開いた(=写真)。今後も定期的に開催し、将来的には海外でも同様の集まりを開いたり、学会に発展させたりすることも視野に入れている。
江崎グリコのグループ企業で食品原料事業を手掛けるグリコ栄養食品㈱(大阪市西淀川区)は、スペイン産の赤パプリカを原料由来にキサントフィルを高含有させた機能性素材「パプリックス」の原料販売を6月から開始する。血中の抗酸化力を高めることや運動パフォーマンスの向上、含有するβ‐クリプトキサンチンの内臓脂肪への機能性などを打ち出す。最終製品を親会社で、原料提案を同社が進め、一般流通、業界向けの両側面での訴求を進め需要を掘り起こす。2020年までに年産50㌧の生産量を見込む。
日本ではアルコール対応で注目されてきた一方、米国では抗炎症作用が着目されて関節ケア素材などとして需要が伸びているクルクミン(ウコン)について、日本でも機能用途の拡大を目指すサビンサジャパンコーポレーション㈱は、その一環として、クルクミンの差別化素材として供給してきた「ホワイトクルクミノイド」に関しても、採用提案を強化する。
筋肉の分解抑制と合成促進という2つの作用メカニズムによって筋肉量や筋力を高めたり、除脂肪量を増加させたりする機能が報告されているHMB。米国では近年、運動パフォーマンス向上のためのスポーツニュートリションとして市場規模が拡大、日本でも、09年の食薬区分改正で非医薬リストに収載されて以来、配合商品がじわりと増加傾向にある。