消費者庁は7月27日、昨年12月の特定商取引法の一部改正で新たに設けた個人への行政処分を初めて適用した。ガンや認知症に効果があるなど虚偽の説明をして健康食品「還生源」を販売していた電話勧誘販売業者の健楽園(東京都豊島区)に対し、特商法が定める商品の効能に関する不実の告知及び契約書面の交付義務違反にあたるとして、3カ月間の業務停止(勧誘、申込受付及び契約締結)、併せて業務を統括していた実質的な経営者にあたる同社部長に対し、3カ月間の業務禁止を命じた。
厚生労働省は1日、「第1回食品の営業規制に関する検討会」(座長・五十君靜信・東京農業大学教授)を開き、改正食品衛生法で盛り込まれた営業許可制度の見直し、届出制度の創設について、具体的な検討を開始した。11月中にも原案を作成する予定で、12月まで全国ブロック説明会や意見募集などを行った後、来年2月には取りまとめを行う見通し。これまで許可業種に該当しなかった健康食品関連事業者がどう扱われるのか。議論の行方が注目される。
健康食品の広告監視に関する研究を行った白神誠・帝京平成大学薬学部教授が7月30日、本紙の取材に応じ、18年度も引き続き研究を進める計画を明かした。白神教授を代表者とする研究班は、医薬品医療機器等法(薬機法)の観点から健康食品の広告を調査している。注視しているのは、単に医薬品的な効能効果を標ぼうしているかどうかではなく、有効性を訴求する健康食品の広告を信用した消費者が、適正な医療を受ける機会を損なっている可能性だ。
今年度の機能性表示食品の届出受理件数が例年と比べて大幅に減少している。今後もこのペースで進めば、今年度の受理総数は200件を下回り、過去最低を更新することになる。そのうえ、届出の撤回が増加傾向にあり、実質的な届出件数の伸びも大きく鈍化。加えて撤回件数はさらに増える可能性がある。ここにきて消費者庁が、機能性関与成分に関する検証事業に基づき、追加資料の提出などを届出各社に求めているためだ。
昨年度の厚生労働省科学研究費補助金(厚労科研費)で健康食品広告を巡る研究が行われ、研究チームは報告書で、医薬品医療機器等法(薬機法)に基づき無許可医薬品として取り締まることも考慮すべきだと提言した。広告に誘発されて健康食品を使用した結果「健康被害を生じている事例があるのであれば」との前提条件を付けてはいる。ただ、健康食品の摂取で体調不良を感じたことのある人が一定の割合で存在しているとも指摘する。
2日午後に都内で開催された医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)主催の「健康食品フォーラム」で、消費者庁食品表示企画課の課長補佐が講演し、機能性表示食品制度は「事後チェック制」であることを改めて訴え、業界に注意を促した。この日のフォーラムは、「機能性表示食品は今後どうなるか?」のテーマで開催。多くの業界関係者が聴講に訪れた。
消費者間(CtoC)で商品取引できるフリーマーケットサイトやオークションサイトについて、東京都が医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触する出品の監視強化に乗り出した。クラシファイドサイトも対象。取引の活発化に伴い、医薬品の無許可販売をはじめ、化粧品や健康食品など食品について、医薬品のような効能効果を標ぼうする表示が増えていることに対応する。サイト運営会社に対し、自主審査の強化も求める。
健康食品などについて合理的根拠なく著しい痩身効果を得られるかのように表示していたのは景品表示法違反にあたるとして、消費者庁は15日、大阪市北区の通販会社に対し、再発防止を求める措置命令と課徴金納付命令を同時に下し、発表した。違反行為として優良誤認の他に価格表示に関する有利誤認をそれぞれ認定。課徴金額は計2229万円に上る。処分された企業は明らかな虚偽表示を行いながら短期間のうちに大きく売り上げていた。
広告の「打消し表示」に対する包囲網が一段と狭まってきた。消費者庁は新たな実態調査を行い、7日に報告書を公表。昨年7月、今年5月に続く今回の報告書では、人の視線の動きから、どこをどれだけの時間見ているかを定量的に計測できるアイトラッキング機器を使った検証結果を報告。打消し表示を強調表示に隣接した場所に表示していたとしても、文字が小さく目立たない場合、消費者は打消し表示を見落とす場合が多い実態を科学的に明らかにしている。