特許庁は4月から食品の用途発明に関する審査基準を改訂する方針を固めた。公知の食品や食品成分から見出された生体調整機能など効果・効能や機能性についても、新規性や進歩性などがあると判断できれば、特許を認める。従来は認めていなかったが、食品事業者などで機能性研究が非常に活発であることなどを考慮し、昨春から検討を進めていた。今後、改訂審査基準案のパブリックコメントを行い、4月中の運用開始を目指す。
コラーゲンペプチドを機能性関与成分にした機能性表示食品の届出サポート体制を、原料事業者が整えつつある。原料販売最大手の㈱ニッピと新田ゼラチン㈱は、肌に対する機能性に関して研究レビューを実施。ニッピでは今後、ユーザーの意向を聞きながら、具体的なサポートに乗り出す。両社とも、一昨年から昨年に掛け、相次いで査読付き臨床試験論文を発表していた。
昨年6月に閣議決定した規制改革実施計画に盛り込まれていた特定保健用食品(トクホ)審査の迅速化などの制度見直しが進みだした。消費者庁は今月1日にトクホ審査を並行審査方式に変更する通知改正を行い、これまで消費者委員会の審査後に行っていた食品安全委員会への安全性審査を、消費者委員会の審査と同時に行うよう改めた。審査に係る同庁の標準的事務処理期間も1カ月短縮し、通常のトクホは5カ月、規格基準型は2カ月に変更した。
大手繊維企業の帝人㈱は18日、オーストラリアの食品ベンチャー・ヘルシーグレイン社が取り扱う機能性大麦「バーリーマックス」の日本における販売を視野に入れた研究を本格的に推し進めると発表した。すでに機能性のエビデンスについて医療関係者と研究を始めており、今年上期に研究成果をまとめ準備が整い次第、市場提案を本格化させる。帝人本体として食品事業に踏み込むのは初。最終製品などの取扱いは今後決めていく方針としているが、原料供給の可能性も高いと関係者は見ている。
食べた後が気になるニンニクの臭いを抑制する働きがあるとして、特許製法による海藻抽出物を配合したタブレットのバルク供給を、フィッシュコラーゲンペプチド製造販売の㈱ラビジェが始めた。海藻抽出物に含まれる多糖類が、ニンニクに独特の食後臭の原因成分を包摂するという。
乳酸菌生産物質を原料・OEM供給する㈱光英科学研究所は18日、事務所と工場を併設した新社屋を竣工した。同社屋は、主に需要増加に対応し、原料の生産量拡大を目的に建設したもので、液体原料が従来のおよそ2倍となる2~3t(月産)製造できる。最近は海外の引合いも増しているという。所在地は従来と同じ埼玉県和光市内。
消費者庁は昨年4月に施行した機能性表示食品制度の積み残し課題を検討する「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」の初会合を22日に開く。関係者ヒアリングなども行い検討を進め、今秋を目途に報告書を取りまとめる方針。
消費者庁は特別用途食品の制度改善に向けた検討会を設置し、来月9日に初会合を開く。6月に閣議決定した規制改革実施計画に基づくもので、新たな食品区分を追加する仕組み、えん下困難者用食品の区分に応じた許可表示の見直し、とろみ調整食品の規格について検討し、今秋を目途に報告書を取りまとめる。