政府の規制改革会議が最近、機能性表示食品制度および制度運用の改善を求める産業界要望の一大集積地になっている。同会議が設けた「規制改革ホットライン」には、食薬区分の見直しを求める意見も寄せられており、消費者庁のみならず厚生労働省も巻き込む形で改善を求める声が上がる。一方で、一部の消費者団体が産業界とは異なる規制強化の観点から制度改善要望を消費者庁などに申し入れており、制度の行方も板挟み状態。現状維持か、改革か──所管省庁がどのように回答するかに注目が集まっている。
総務省統計局の家計調査(二人以上世帯)で毎月支出額を調べている健康保持用摂取品(サプリメント)の2016年1月から12月まで1年間の1世帯当たり支出額を合計したところ、1万5272円となった。12月分は速報値のため今後変わる可能性もあるが、前年同期比は8.3%増と、前年を1167円上回った。
「リポビタンD」「アリナミンV」などの栄養ドリンクに代表されるビタミン含有保健剤(新指定医薬部外品)の効能効果が見直される。「疲労の回復・予防」といった予防表示が4月1日以降から可能になる見通しで、OTC医薬品業界団体は「新たな訴求が可能になる」として市場拡大に期待を寄せる。規制改革実施計画に基づき見直すものだが、背景には機能性表示食品制度の施行が見直し機運を高めたことがある。機能性表示食品に代表されるサプリメント・健康食品の領域に、医薬部外品がより接近することになりそうだ。
消費者委員会が特定保健用食品の規制強化を消費者庁に求めている。消費者委が昨年4月に発出した、「健康食品の表示・広告の適正化に向けた対応策と、特定保健用食品の制度・運用見直しについての建議」に対する同庁の対応は「不十分」だとし、実効的な対応を強く求める意見書を取りまとめ、17日に公表した。許可後の事後チェックを「迅速かつ適切」に実施し、問題のある商品が見つかった場合は速やかに行政処分を行うよう求めている。
消費者庁は23日、ごまに含まれるセサミンとセサモリンを関与成分にした特定保健用食品の表示許可にかかわる諮問を消費者委員会に行ったと発表した。「コレステロールが気になる方の食生活の改善に役立つ」旨を訴求するもので、申請者はごま油製造販売のかどや製油。食品形態は食用油。今後、消費者委の新開発食品調査部会新開発食品評価調査会で、審査手続が開始される。
初の特定適格消費者団体として「特定非営利活動法人 消費者機構日本」(東京都千代田区、会長=中山弘子氏、代表理事理事長=和田寿昭)が認定された。昨年10月1日施行の消費者裁判手続特例法に基づき内閣総理大臣が認定したもので、事業者と消費者の間で生じた消費者の財産的被害の回復を巡る民事裁判手続を主体的に追行できる。認定は昨年12月27日付。消費者庁が同日発表した。認定の有効期間は3年。
機能性表示食品は今年4月、制度施行3年目を迎える。制度検討時の検討会報告書では「施行後2年を目途に施行状況を検討し、必要な措置を講ずることを期待する」とされていたがその前に、昨年4月に続く2度目のガイドライン(GL)改正が行われることになる。現行制度では対象外とされている糖類・糖質をはじめ、機能性関与成分が明確でない食品のうち、特定成分で機能性が部分的に説明できる植物エキス・分泌物を制度対象に加えるための改正だ。
農林水産省の農林物資規格調査会(JAS調査会、会長・阿久澤良造日本獣医生命科学大学学長)は昨年12月26日、会合を開き、有機JAS規格の改正案ほか、JAS規格の追加・見直しの方向について議論し、機能性表示食品を考慮した規格を作成することなどを決めた。
消費者庁が今年度に実施する機能性表示食品制度の検証・調査事業について、委託先の公募が昨年末に始まった。今年度は、最終商品を用いた臨床試験と、安全性評価が適切かどうかについて、それぞれ届出資料から検証する。より適切に制度運用していくための課題を抽出しつつ、届出資料の質を高める方策を検討するのが狙い。同庁は、委託先を競争入札で今月中に決め、3月27日までに調査報告書を提出させる方針だ。事業受託者に与えられる作業時間は2カ月足らず。
国民生活センターは15日、アルミパウチなど容器入り水素水や生成器で作る水素水19銘柄についてテストを実施、水素水には公的な定義はなく、各商品の水素溶存濃度も様々などとして消費者に注意を呼びかけた。同センターでは、今年3月にも水素水の飲用による効果無しのテスト結果を公表していた。