認知機能領域の機能性表示食品としては珍しい、食用キノコ由来成分の需要が今後高まりそうだ。「たもぎ茸」という北海道ではポピュラーな食用キノコの抽出物に含まれる「エルゴチオネイン」という抗酸化機能の強い成分。研究レビュー(SR)を科学的根拠にした機能性表示食品の届出が先ごろ初めて公開されたことで、エルゴチオネイン含有タモギタケ抽出物を独自素材として製造・販売するエル・エスコーポレーション(東京都中央区)が提案を強化している。
目や肌など複数の部位が同時に乾燥する、いわゆる「ドライシンドローム」への対応を念頭に置いたサプリメント・健康食品向け原材料を丸善製薬(広島県尾道市)が上市した。ドライシンドロームをめぐるヒトに対する有効性がRCT(ランダム化比較試験)で実証され、論文発表もされている「エリオジクチオール‐6‐C‐グルコシド」(以下、E6CG)という成分を規格化した植物由来の製品で、目・肌・口の〝うるおい〟を総合的にケアできる機能性表示食品対応素材として打ち出す。
微細藻類の一種、オーランチオキトリウムに含まれる従来知られていなかった物質に、高い生理活性のあることが国内で見出された。経口摂取することで、血糖値が正常化されたり、肌状態を改善させたりする可能性があるという。同物質を機能性関与成分にした機能性表示食品の開発をめざす動きも進んでいる。
現下最大の社会的課題である新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の原因ウイルス、SARS‐Cov‐2に対する食品素材の有効性を検証する研究が国内でも行われている。細胞試験の結果にとどまるが、一定の有効性が示唆された成分があり、中にはヒトに対する有効性を検証する臨床試験のステージにコマを進められたものもある。有効性に対して過信は禁物だが、「食品に効果はない」「科学的な根拠はまったくない」などとは一概に言えない状況だ。
水産物由来の機能性食品素材の製造・販売を手掛ける焼津水産化学工業(静岡県焼津市)は、先月19日に上市した新素材「フコース」について、内臓脂肪の減少など抗肥満領域の機能性表示食品対応素材として市場に普及させる考えを、健康産業流通新聞の取材で強調した。査読付き学術誌に投稿中の臨床試験論文が受理され次第、研究レビューの実施など届出サポートに向けた準備を本格化させる。早ければ年内にも対応を始めたい考え。
「肝臓の健康維持」に着目したサプリメント・健康食品の開発、発売に向けた意欲が高まっている。それに関連したエビデンスの原材料に対する引き合いも増加傾向を見せている。肝臓や肝機能に対する有効性を志向する商品は、これまでいわゆる「アルコール対応」に特化する形で需要の掘り起こしが進められてきた。潮目が大きく変わりつつある。
桑の葉由来イミノシュガーを機能性関与成分とし、食後血糖値の上昇抑制機能を訴求する機能性表示食品の届出が増えてきた。これまでの届出者はファンケルと同社グループのアテニアに限られていたが、今月、サントリー食品インターナショナルなどからの届出が新たに公開。桑の葉は青汁の原材料として使われる場合も多く、青汁の製造を手掛ける業界関係者からは、桑の葉の需要拡大を期待する声も聞かれる。
カツオエラスチンを製造・販売する林兼産業(山口県下関市)が2012年に上市した海藻抽出物の引き合いが増えている。NK(ナチュラルキラー)細胞の活性機能等がヒト試験で確認されていることを背景に、免疫サポート素材として注目が高まったことが要因のようだ。同社としても、需要を定着させようと提案に力を入れている。
神戸製鋼グループの神鋼環境ソリューション(神戸市中央区)が機能性食品の原材料市場に参入する。これまで、主に最終製品販売を展開してきた独自ユーグレナ株について、BtoBの原材料販売を本格化させる。同素材には、免疫に関係する疲労感の軽減機能が確認されており、新型コロナ禍の収束時期が未だ見通せない中、今後、さらにニーズが高まると判断。外部に幅広く提供していくことにした。同素材を活用した機能性表示食品の届出サポートも手掛ける。