健康意識の向上に伴い、昨今関心が高まっている「腸活」。その健康への取組みに、大きく関与するとして注目されているのが食物繊維だ。以前から便通を改善するとして知られてきたが、最近は腸内細菌に代謝された短鎖脂肪酸が、広く健康に役立つことが分かってきた。市場規模は1000億円を超えている。巨大市場の現在の動向をレポートする。
TPCマーケティングリサーチが実施した世界の健康食品市場のトレントに関する調査結果によると、2024年の同市場規模は前年比4.4%増の35兆3022億円だった。調査エリアは北米や欧州、東アジア(日本、中国、韓国、台湾)、東南アジア・太平洋(一部南アジアを含む)、その他エリア(南米、中東、アフリカ)で、調査実査日は昨年8~12月。同社が12月16日発表した。
近年、東南アジア地域では健康食品市場が著しい成長を遂げている。この成長を支えている主な要因として、健康意識の高まり、中間層の拡大、電子商取引の普及が挙げられる。特に新型コロナウイルスのパンデミック以降、予防医療への関心が高まったことで、健康食品の需要がさらに増加している。グローバルな調査会社(ミンテル、ユーロモニター、ニールセンなど)や、FoodNavigator-Asia,NutraIngredients-Asia など食品・健康食品業界に特化した情報サイトで東南アジア各国現地に強みを持つ調査機関が発表する市場動向データを基に、各国の特徴的な動向と流通チャネルをレポートする(後編は2月12日号に掲載)
抗老化に関わる機能性食品原材料が健康食品市場で存在感を増しつつある。以前より健康食品業界では〝アンチエイジング〟を関連ワードとして、市場を構築してきた経緯がある、レスベラトロールやメラトニンなどの関連素材が話題となり、商品開発が進んだ。現在の抗老化に関わる動きは、世界的な潮流とも重なり、新たな素材のプロモーションも活発化している。抗老化に関わるカテゴリーの構築が進みそうだ。
機能性キノコ素材が、さらに市場を拡大しそうだ。ここ数年「腸活」や「菌活」でキノコの注目度が増しており、外食のメニューでは「キノコステーキ」が登場するほど広く利用されている。人気の理由はコレステロールや脂肪が少ない一方で栄養豊富なところ。ここ数年の健康意識の高まりが背景にある。各素材では機能性研究が進展しており、人気を支えるデータも蓄積されている。
健康食品事業者が想定する2026年はどのようなものか。紅麹事案が落ち着き、各企業の取組みが活発化する中、昨年は「サプリメントの在り方」について議論が始まった。今後議論や検証は進むが、企業のありようも問われそうだ。転換期を迎えつつある健康食品事業者が見る市場の動向は――。